大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)1076 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小田成就の上告理由第一点について。

所論は実質において原審の適法な証拠の取捨判断、事実認定を論難するものにす

ぎず、上告適法の理由とならない。

同第二点について。

論旨は農地を宅地に転用することの知事の許可の効力は許可を受けた者以外に及

ばないというけれども、農地法五条一項に基き知事が与えた宅地に転用の許可はそ

の土地についてのものであつて申請人に限らずすべての人に対する関係でこれを宅

地として取扱うべき効力を生ずるものと解すべきである。�

原判決の事実認定によると、本件譲渡担保の目的となつた田四畝六歩等の内約五

○坪の部分は当時畑地でこれを取り巻く他の約七六坪の部分は宅地化していたが、

かねて上告人とこれを譲受けようとした訴外Dの両名から右土地全部につき農地法

五条一項に基き奈良県知事に対し宅地に転用の許可申請をなしその許可をえて右土

地は宅地化されていたというのであるから、原判決が、右転用許可の効力を申請人

以外の被上告人に及ぶものとしたのは相当である。そして、その譲渡担保契約によ

る右の部分の所有権移転については、将来の転用許可を停止条件としたものと解す

べきであるから、その後転用許可があつた以上、右契約による所有権移転の効力を

争うことはできなくなつたものといわねばならない。原判決の判断は正当で所論は

理由がない。

論旨末段はすでにDの所有に帰した以上被上告人はその所有を主張し得ないとい

うが、Dが本件仮登記前に所有権取得登記を了したことは原審の認定しないところ

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であるから、被上告人が譲渡の当事者たる上告人に対し所有権取得を主張するに妨

げなく、所論も理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のお

り判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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